連載よみもの【しあわせ・ざ・おなか】第4回
第7章◆ダンナさん
相変わらず気持ち悪い日々が1カ月以上も続いている。
ここまでくると、「堕ろしてでも楽になりたい」などと、思ってしまうこともあった。
今思えばなんて馬鹿げた事を考えてたんだろうって感じだけど、本当にそれぐらい、ひどいつわりで必死の思いだった。
そんなツライ日々だったが、唯一の救いがあった。ダンナさんが毎日お見舞いに来てくれたことだ。
真冬の寒い中、仕事が終わった後、1日もかかさず来てくれた。そして私が食べれない分、ダンナさんが夕飯をたべてご飯代をうかしてた(笑)
話は少し変わって、ダンナさんは単車に乗っていて、いわゆる「バイカー」といわれる人種だ。
彼いわく、バイカーファッションは「皮ジャン」なんだそうだ。単車に乗るときは皮ジャンを着て乗っている。
しかし皮ジャンの「皮」ってのは、また独特の匂いがするのです。
せっかく毎日お見舞いに着てくれるのはいいけど、その皮の匂いも気持ち悪く、ダンナさんが来るといつも具合悪くなってしまっていた。そんなことも知らず、ダンナさんは「いつも自分がくると調子わるくなるな〜」と不思議に思ってたそうだ。
真冬で寒い時は、皮ジャンじゃ寒いのでウインドブレーカーみたいのを着て単車に乗る。
ある日、ウインドブレーカー姿でお見舞いに来て、夕飯を食べて帰った後のこと。
同室の人に、「ダンナさんいつも来てくれてマメなひとだね。」と話しかけられ、「ダンナさんって仕事なにしてるの?」と聞かれたので答えると、返ってきた返事が
「そーなんだ。ウインドブレーカー着てるから、学校の先生か何かかと思ってたよ」
「???」
まてよ、ダンナが今まで学校の先生に思われてたってことは、周りから見て、私はどーゆー風に見られてたんだ?
同僚にでも思われてたか? それはないだろう。なんせ、私は身長が138cmしかない。同僚にはまず見えない。
…ってことは…。
もしや………教え子?!
この時、森田童子の「僕たちの失敗」(TBS「高校教師」)の曲が頭の中で流れた。
(※ヤングの皆様知ってます?ネタが古くてごめんなさい)