連載よみもの【しあわせ・ざ・おなか】第19回
第24章◆外出許可
2度目の入院生活も1ヶ月近くが過ぎようとしてた。
今回の入院は元気なんだけど、お腹がこうも大きくなっては身動きとることさえ困難で…。
お産が進むように散歩をするけど、それすら日に日にキツくなってきていた。
そんなある日、午前の回診で先生が突然
「ず〜っとここに居たからね、どう?気分転換に外にでも出てみる?」と、言ってくださった。
「えっ、いいんですか?」と、2つ返事で出かけましたよ。
そりゃそうだ。ず〜っとシャバの空気を吸ってないんだもん。
この若さあふれるパワーを、病院内で浪費するなんてもったない(笑)
…ってことで、急遽お昼からの数時間外出することになった。
ダンナさんに連絡すると、彼はなんと会社を早退し、この半日をウチの為に費やしてくれた。
でも、いざ出てもいいよって言われてもねぇ、行く所もそうないしなぁ…。
とりあえずお昼ご飯を食べに、行きつけのお好み焼き屋さんに行くことにした。
なんかずっと病院内で過ごしてたから、なんか昼間っからダンナさんとこうしている事が不思議だ。
2人の会話はもっぱら生まれてくる子供の事ばかり。
こうして夫婦2人で過ごす時間は、もしかするとこれが本当に最後かもしれないと思うと、ちょっと寂しかったりもして…。
もう少し2人だけの時間が欲しかったってのがホンネだけどね。
ダンナさんが「子供が生まれたら今度は、家族3人で食べにくればいいじゃん」って言ってくれて。
いつも行きつけのお店だったのに、今日は違う感じがした…。
お店も出てその後向かった所は“我が家”だ。
5階まで階段を昇るのは、臨月の妊婦にはかなりしんどかったけど。
「見てみ」と言われて入った部屋は、なんとTVや棚などの配置が変わり、新しい衣装ケースが増えていた。
ふすまも外して、キッチンを繋げて広くなっていた。
…そう。赤ちゃん仕様に部屋を広く使えるようにしといてくれたのだ。
寝室には組み立てられた、真新しいベビーベッドが。
そうだ。お腹の赤ちゃんの為に、不安になったり準備をしていたのは、自分だけでなく、パパになるダンナさんもだったんだ。
先生にとっては、気分転換と運動を兼ねた外出許可だったんだろうけど、自分にとってはこの外出で、見失っていたことに気がつくことができた。
ダンナさんとも改めて気持ちを確認しあえた。
あとは生まれてくる、まだ見ぬ我が子に会う日を夢見て待つばかり…。
赤ちゃん誕生まで、あと3日。