連載よみもの【しあわせ・ざ・おなか】第18回

第23章◆出戻り事件

最近なんだかお腹の張りがずっと続く。しかも痛みの感覚が短くなっている感じもする。
それとなく時間を計ってみると、痛みの感覚が5分くらいになっているじゃないか!!
ちょっとした期待と多大なる不安でドキドキする中、震える手でナースコールを押し、看護婦さんを呼んだ。

「痛みの感覚が5分おきくらいなんですけど…」
すると“ついにこの日が来た!”という勢いで、看護婦さん達が一斉に慌ただしく動き回り始めた。


陣痛室に入る前に、実家とダンナさんに電話をし、「ついに陣痛が来たよ!これから陣痛室に入るから、今日は来る時はそっちに来てね」
そう伝えると、出産の準備が次々とされる。出産着に着替え、悌毛(…恥ずかしい)もされ、お腹にモニターと呼ばれる、超音波でお腹の状況をみる機械を取り付けられ、陣痛室へ移動した。
「ここでしばらく様子みますので、何かあったらすぐ教えてください」
ますます緊迫した状況になってきた。

夜、ダンナさんも駆け付けてくれた。
「大丈夫か?」
さすがに心配のようで、腰をさすったりしてくれた。
「生まれる前になったら病院から電話してもらえるから。この調子だと、土曜日には生まれるかな?」などと、まだこの時は痛いながらも、こんな事を話せる余裕もあったりした。

それからダンナも帰り、痛みと不安に耐える夜が来た。
なかなか寝付けないながらも、「寝なくちゃ」と必死で寝るように努力した。

次の日、痛みは少し和らいだが、まだまだ残っていた。
「生まれるのに数日かかるかもね」と看護婦さん。

この言葉を聞いて3〜4日はたったような…。

「ん〜…陣痛、おさまっちゃったみたいだねぇ。初産の人って“微弱陣痛”って言って、陣痛の弱いのがあって、そのままおさまっちゃう人とかいるのよねぇ。お産までまだかかりそうだから、もう一回大部屋に戻ろうか?」

…え??…まじっすか?(苦笑)

そういわけで、再び元の部屋へ。
「あれ?もう生んだの?」と次々と同室者に声をかけられるワタクシ…。
「あ…あの、陣痛おさまっちゃったんで、もう一回お世話になります(恥)」

嗚呼、「穴があったら入りたい」とは、こういう状況のことを言うんだね…。
うれしはずかしの、出戻り事件でした。
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