連載よみもの【しあわせ・ざ・おなか】第15回
第20章◆赤っ恥事件簿
入院生活も3週間ほど過ぎた頃、もういつ産んでもいい時期になってきたので、いよいよ点滴が外されることに。
今思えば本当に長かった、安静生活。これで晴れて自由の身。
これからは、産まれるまで病院で過ごすことになる(子宮口が少し開いてるため)
そして点滴がようやくはずされた。これほどの開放感が今までにあっただだろうか。
しかし、本当に大変なのはこれから。3週間もベッド上だけで過ごしてたのだ。足はすっかり痩せてしまい、ちょっと歩いただけで息があがる始末。
「これは本格的にヤバイぞ。こんなん体力が衰えてて産めるのかなぁ…」と、正直かなり弱気。
先生にも、「出産は体力を使います。心肺機能がだいぶ低下してるから、歩いたりしてください」って言われた。
部屋の外に出られるようになってからは、腹帯を巻いてお腹を支えつつ、ダンナさんと、新生児室に産まれたばかりの赤ちゃんを見に行くのが習慣になった。
毎日毎日、しかも赤ちゃんを見てるまさにその瞬間にも、新しい命が誕生してるってことはすごいことだと思う。
でも今の自分には、赤ちゃんとの対面の楽しみよりも、「本当にこの体で産めるのか」その不安でいっぱいだった…。
そんな話しをしても、お気楽主義のダンナさんは「大丈夫よ」と言うばかり。
「他人事だと思って…」って感じだったけど、今はこの言葉を信じる以外、他にすがるものがなかった。
そして面会終了時間になると、階段の側までダンナさんを送っていく。
入院も長いことしてるけど、この瞬間がいつになっても切ない…。
寂しい気持ちを隠しながら送っていくと、途中で出会った看護婦さんが一言。
「○○さん。腹帯がしっぽになってるわよ」「はい??」
のぅぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!(驚)
そこには1m近くズボンの腰あたりから、垂れ下がった腹帯があった。
ダンナさんは「じゃ…。じゃぁ」とそそくさと帰ってしまったのは言うまでもない。
はぁ…。こんな切ない場面でも、ネタになってしまう自分が恨めしい(苦笑)
お腹の子よ、こんな母でも産まれて来たいかい?(笑)