LINDBERG XII

「LINDBERG XII」は、「今すぐKiss Me」で90年にブレイクしたバンド「LINDBERG」の12枚目のオリジナルアルバムだ。
昔の勢いを残しつつ、全体的に落ち着いた感じの1枚になっている。
彼らは元気の出るサウンドと、心に染みる歌詞で多くのファンを勇気づけて来た。
ボーカル・渡瀬マキの妊娠、出産のため、ここ2年間表立った活動はしていなかった。
このアルバムは彼女の妊娠中に製作されたものだ。彼女をはじめとするLINDBERGのメンバーの愛がたくさんつまっている。

アルバムは、彼ららしい前向きな曲「花」で始まる。
──うまくいかない時はなぜか悪いことが続く わかってる だからそんなに自分を責めないで…

この歌を聴くと、どんなことがあっても、前を向いてがんばろうという気にさせられる。
そして、「君は知らない」「Anyway you want」と続く。
「元気な曲を歌っている」というイメージが強い彼らだが、このバンドの持ち味はそれだけではない。ちょっと切ない歌詞がうまく旋律に乗っている。

ひと足先に発売されたマキシシングル「願いがかなうように」も収録されている。

──ふみ出せる勇気がいつも足りない…

この歌詞を思い出すたびに、はっとさせられる。この曲はシングルにしてはおとなしめの曲だと思う。
「自転車に初めて乗れた日」というスローな曲の次には、遊び心たっぷりの「アタシは磨けば光るダイアモンドなのに」が来る。ライブにぴったりなノリノリの1曲だ。彼らはいくつになってもこういうノリを忘れないところが、とても素敵だと感じる。
「Brand new day」では、「いつか今日の日を思うとき ちゃんと誇れる自分でいれたかな」 という歌詞によって、1日1日を大切に生きていきたいという気持ちになる。そして、「いちばん大切なもの」「東京ライフ」と続く。曲調は相変わらず力強くて、心落ち着く。

──とまれない この街で…

「この街で」の、伴奏なしでマキが歌う部分はとても感動する。彼女の声は私達の心にまっすぐ届く。
そして、「青い時計」でこのアルバムはゆっくりと終わりを迎える。

12枚目のアルバムには、年を重ねるごとに味わい深くなっていくLINDBERGの世界が広がっている。
ファンの人だけではなく、初めて聴いた人でも充分楽しめる内容だろう。

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